君へのラブソング
陸の作った、あったかいシチューが心に染みた。
「どう?」
そう穏やかな瞳であたしを見つめて、尋ねた。
あたしは小さく頷く。
「おいしい。」
そう答えると、陸はその垂れた目を細めた。
「よかった。」
いつもあたしが料理を作ってたから、陸がこんな料理上手なんて知らなかった。
陸の名誉のために言うけど、よく手伝ってくれてたけどね。
「陸、すごいね。」
「俺ね、ガキんときから料理やってて。…でも美奈の料理の方がずっと旨いよ。」
そんな恥ずかしいことさらりと言うから、こっちの身が持たない。
「…ありがとう。」