君へのラブソング
俺は、生まれたときに性別を間違えてしまった。
本来は男、であるはずの俺はなぜか女として生を授かった。
女の子らしいピンクのフリフリのワンピースを母さんは好んで着かせた。
母さんは昔から娘が欲しかったらしく、それはそれは嬉しそうに微笑みながらピンク色の服を俺に買い与えて、幸せそうだった。
そんな母さんを目の当たりにし、俺はただなされるがままだった。本当はズボンが着たいのに、母さんに言えなくてただじっと堪えていた。母さんを悲しませたくなかった。
子供のくせに、我が儘を言えない、そんな子供だった。