君へのラブソング
俺のそのいつもと違う真剣な声、真っ直ぐ両親を見る目に俺がこれからなにか重大なことを話すのだと、察した両親は俺をリビングに通した。
「なんだ?百合…」
優しく俺の名前を呼ぶ父さん。
「あ…俺、今までずっと、自分のこと、…女じゃなくて男だって信じてたんだ。今も、そう信じてる。」
ドキドキと大きく脈打つ心臓。この心拍が両親に聞こえるかなと思う程大きくて静めようと深呼吸をひとつ。
「…は、い?百合、変な冗談止めて?」
母さんは混乱が隠しきれない様子。父さんはただ目を見開いていた。
「冗談なんかじゃない。本当だよ、母さん父さん。
ずっと女の子っぽい服を着たり髪を結んだり、真っ赤なランドセルも、本当は辛かった。」
今までのことが脳裏を走馬灯のように駆け巡り、その辛さが涙に変わり、瞳から零れ落ちた。