うちのおネコ様
「おはよう美子ちゃん」
「あ、おはよう」美子が教室に入るやいなや、さっそうと近づいて
声をかけてたのは、高島里香。
この高校に入って、出席番号が前後だったという理由で一番最初に友達になった
相手だ。

「今日も自転車?」
「うん。雨以外は基本的にチャリだから」

ふーん、そうなんだ~と、いつもより汗がふきでる美子を見て、今日はほんと暑いよねーと他愛も無い話を繰り出す。

「いやー、まいったよまいった」
なんて切り替えしから、美子は朝の出来事を里香に話始めた。
いや、ネコの世話があるからって、娘一人はちょっとなくない?なんて、教科書の間から下敷きを取り出し、パタパタを仰ぎまくる。

「まあしょうがないよね。動物飼ってると旅行ってできないから」
かくいう里奈も無類のネコ好きで、家では12歳になるおばあさんネコがいるらしい。
仲良くなったきっかけも、「ネコ好き」というのが二人にしっくりきたからも
ある。

「でも・・・いいよね!?だって、一人暮らしみたいで?」
「っ・・・てちょっとは思ったけどさ。私ご飯とか作れないし。。家事全般無理だし」
それに、真夏の格闘(宿題も)とつけたしたかったが、勉強に関しては
優秀な里奈に対し、つけたせなかった・・・。


「じゃあさ、夏休み、泊まりに行っていい?私ご飯作るくらいならできるし!」

「ほんとに!?それマジで助かるんだけど!」

美子は素直に喜んだ。
よかったー、これで夏休みの何日かはまともな食にありつける。
一人でいたら絶対に干からびてるに違いない。
もしかしたら、夏場の最後には救世主になってくれるかも?

なんて事を思いながら、その日二人は帰りの下校まで楽しい夏休み計画で
大いに盛り上がった。



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