うちのおネコ様
久しぶりの友達に声が高くなる。

「おお!みづきだ!久しぶり。どうしたの?そっちは番号変わったのね!」
番号変わったならメールの1つよこせよと思ったが、それはいわなかった。
それほどめちゃくちゃ親しかったわけではないが、一応同じクラスで、
それなりに仲良くしていた女子だった。

「あのさ、今日の夜プチ同窓会やるんだけど、美子もこない!?」
「プチ同窓会?」
ついこないだまで一緒だったのに、なぜかもう懐かしいと思える仲間。不思議なもだ・・・同窓会なんて言葉も出るなんて・・・と思ったが、予定のない美子は突然の誘いに心はずませた。

「いくいく!どこで?何時??」

ありがたいことに、1ヶ月の食費生活費などといってお金だけは十分に置いていってくれたので、地元の駅でご飯食べよう~なんて誘いも、ぜんぜん受け入れられる状況だった。


「・・・うん。OKわかった。じゃあ3時に駅前ね。」 ピッ。

3時に集まって、お茶をして、夕飯も食べて・・・?お茶にどんだけの時間を使うのか。女子の会話時間はおそろしい。夕飯ったって食うのにはさほど時間はかかるまい。
あとはひたすら、話して話して・・・きっとそんな感じだ。それに、今の学校はどうだ?とか、そんな話で盛り上がるだろう。


クラスで仲良くしていたのは6人。
特に同じ部活というわけでもなかった仲間だったが、なんとなく集まりなんとなくずっと一緒にいた仲だった。


みんなどうしてるかな。ちょっとかわったかな?

と期待をもった後、中学から何も見栄えについて変わってない自分に気付く。
「げ。えっと、化粧とかしてくんのかな;まいったな。
お母さんもいないし、勝手に使える化粧品ないよっ!」


美子は化粧品といわれる物をほとんど持っていなかった。



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