うちのおネコ様
「あんたが早く起きないからさ。もうお腹すいたってうるさくって」

「えー。だってルディはさっきまで私と寝てたよ」

へりくつ言わないの!と母は私の朝食の前にボンとお弁当をおいた。
「まあねぇ。。育ち盛りのネコたちだしね。そりゃ早く起きてお腹もすくわね」
「さすがうちのネコ様たちです」

そう言うと母は、こんな話をしてる場合じゃないと急いで自分の身支度を始めた。
自分もこれからパートがあるので、髪をとかしたり化粧をしたりと大忙しだ。

そんな母を横目に自宅からチャリで10分以内で学校につく私は、のんびりと朝の食事を満喫する。家を出るまであと40分。
ご飯を食べて着替えて歯を磨いて〜とすれば、あっという間に過ぎていく時間だが、美子はあまり化粧気がないので身支度が早い。

「ハフがいはいなあ〜(ハルがいないなぁ)」
口いっぱいに詰め込んで、ひとり言を言ってしまった。
すると足元から愛らしい声が聞こえた。
ハルだ。
「にゃああ〜〜〜〜」

「おお!ほんなほこにいはのね。おはよおはる〜〜」


美子は足にすりすりしてくるハルに、足ですりすりし返した。
さすがに手でパンを食べてるわけで・・・その手で抱っこや顔すりすりも今は
する気にならないらしい。。

あ、そうそう!と洗面所から中途半端な身支度の母が顔を出した。

「あんた、もうすぐ夏休みでしょ?お母さんも夏休みもらうからね」


「はあ?」

どういう事だ?
実家にでも帰省するのだろうか?


「お父さんと一緒に、1ヶ月間海外に行くことにしたの」

「・・・うそおー!!」

「もう決めちゃったんだもの。」

母は用件だけのべると、また洗面所に戻ってしまった。
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