うちのおネコ様
庭から戻ってきた私は、洗濯カゴを洗面所に戻し、ブルーが座るダイニングテーブルに向かい合うようにして座った。

「今日も天気がいいね。」

「そうだね。洗濯物あっという間に乾いちゃうよ」

すぐに話をふってくれたのはブルーだった。多分彼の事だから、私がこの状況に気まずく感じてるのだと察し、声をかけてくれたんだと思う。
本当に周りの事に気を使える子なんだな。


「あ!そうだ。ブルーもお外出た事ないもんね。・・・ごめんね。今まで家の中だけで暮らして、窮屈だったんでしょ?」

私は昨日の自由になったと喜んでいたルディの姿を思い出した。

それを見て、家の動物の飼い方について、もう一度考えなければならないと思った。

しかし、ブルーは首を横に振った。

「いいんだ。僕は・・・僕は他にやらなければいけない事がある」

「え?」 それはなあに?と続けて私は質問した。


ブルーは少し黙って、何か考えているようだった。もしかしたら、何かを思い出そうとしてるのか?と思った。


「うん。またハッキリと気持ちの整理がついたら話すよ。それより・・・」

ブルーは真剣な表情になり、私に申し出た。

「ミコちゃん、昔の・・・昔の写真を見せてくれないかな?」


「写真?」



私はブルーが何をしようと思っているのか、全く検討もつかなかった。



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