感方恋薬-知られざる月の館-
「難易度じゃ」


「――なんじゃそりゃ…簡単だって事?」


「それは貴子次第じゃ。やる気が有れば簡単じゃし、ほっておけば難解じゃ」


あたしは、はぁっと溜息をつく。


「随分、当り前な話だね」


そう言った直後、爺がにやりと笑った様に感じた。


「頑張るのじゃぞ」


そう言うと爺はふっとあたしの前から姿を消した。あたしは爺から貰った巻物をもう一度読み返してみたが、やっぱり何が書いて有るのか全然読めない。
< 70 / 219 >

この作品をシェア

pagetop