感方恋薬-知られざる月の館-
「まぁ、古い巻物の様だから、君自身が知らない人物が、家系の中に居るのかも知れないね」


「はぁ…そうですか」


釈然としない表情のまま『四角』に一礼すると、あたしは職員室を後にした。

         ★

あたしは学校から帰ると、自室でベッドにごろんと横になりながら『四角』に貰ったメモ用紙を読みながら色々と思いを巡らせた。


巻物の内容は、確かにあたしと同じ名前の人物が、誰かに当てた手紙の様だ。


だけど、誰に宛てた手紙なのかは、その内容から読み取る事は出来なかった。


結構熱烈な内容のラブレター。昔の人のローマンス?。


「お父さんか、お母さんに聞いてみれば分かるかな」
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