感方恋薬-知られざる月の館-
とにかく、今の処、心当たりが無い事は曲げる事の出来ない事実だ。


爺の予言を信じるならば、あたしは近々に劇的な出会いをして、恋に落ちるって言う事か?うむ、あの、爺も、たまには良い情報をくれる物よのぉ。


ふぉっふぉっふぉっ。


あたしは笑い声を噛み殺しつつ、深い眠りに落ちて行った。

         ★

月の館に、あたしの声が響き渡る。


「え――い、言え、いわね――かぁ」


あたしは爺の首根っこを、おもいっきり締め上げる。


「まて、ちょっと待て、貴子よ、わしが何をしたって言うんだ、あ――っ、チョ――ク、チョ――ク、ワン、ツー、スリー」
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