感方恋薬-知られざる月の館-
「今週末?今週末は則子と買い物に行く予定だぞ」


「ふむ、なるほどの。じゃぁ、おそらくチャンスはそこじゃろう。が、じゃ」


あたしは呆けた表情で爺に答えた。


「が?」


「そうじゃ、が、じゃ。その人物に心を許してはいかん。それは、お前さんの一方的な思い込みじゃ。相手は何とも思っておらん。お前さんに似合いの男は、もっと身近におるからな」


「身近に?」


「そうじゃ、お前さんのすぐ近くにおる」

         ★

あたしは夜中に目を覚ました。


爺、本気でもうろくしたんじゃないか?そんな人が身近にいたら、あたしが放っておく訳無いじゃないかい。


あたしは、ぼんやりとそう思うと再び深い眠りに落ちた。
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