夕暮れ
おぃおぃ…

これが彼氏彼女の電話の内容か?


と疑いたくなるほど

淡泊な受け答え



仕事連絡の電話か?

と言うほど早く切った。




「猛…おまえなぁ…」


電話を切るなり

俺の上に乗ったまま
呆れた顔で見た。




「だって…お前取る気なかっただろ?彼女からの電話は取るもんだよ。しかもすぐに切るし」

「いいんだよ。俺電話嫌いって言ってあるし。」

「そっかわりぃな。」


俺が素直に謝ると


「いや…ありがとぅ」

と昇が言った。


まったく

世話のやけるやつ。



「なぁ…昇…いつまで俺の上に乗ってんの?襲うよ?」

俺が笑いながら言うと

昇は
降りる様子もなく
俺を
見つめた。




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