MARRIAGEABLE─お年頃─
数時間経過した所で、私はみんなよりも先に帰る。

お母さんに任せてきた子供たちの事も心配だったが、今日はいつもより飲みすぎた。

フラフラとした足取りで店を出ると、他のみんなは次の店へと向かって行った。

私は1人で帰ろうと思ったがそれは却下され、私の隣を歩くのは、ヒロくん。

「大丈夫か?」

いつもの様に優しい口調のヒロくんに私は「大丈夫だよ。」そう言った。

「ユミ…」

「何?」

いつもの様に始まる世間話。

私はいつからヒロくんと呼ぶようになったんだろう。

ヒロキ…

昔はそう呼んでいたのに。

「お前、幸せか?」

ヒロくんの問いかけに、私はクスっと笑う。



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