MARRIAGEABLE─お年頃─
「幸せだよ。」

偽りのない笑顔で私は答えると、ヒロくんは安心したような微笑で私を見てきた。

「そっか。」

「ヒロくんは?」

「幸せだよ。」

彼女の事を思い浮かべているのだろうか。

ヒロくんの表情からその幸せさが滲み出ていた。

「俺、来年結婚するんだ。」

「ヒロくんも結婚か…。」

ヒロくんには幸せになって欲しい。

ヒロくんだけじゃない。

ナオもみんなも。


ヒロくんと私、二人の時間も終わり。

家の前に着いた私たちは、昔の様にあっさりと別れて行く。

「じゃね、ヒロくん。送ってくれてありがとうね。」

「おう、じゃあな。」



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