満月の銀色ススキ
「…あと、二日しかないの」
「え…?」
「ススキさんに会えるの、あと二日なの」
だから、話がしたかった。
そう言った望月の瞳は揺れていた。
泣いてしまいそうだと、ススキは思う。
「…大丈夫。話しなら、呼んでくれればいつでもしに行くよ」
「……ぅん」
望月は小さく頷いて、それから笑った。
瞬間、ススキは悟った。
きっと、呼ぶことなんてしないのだろうと。
ただ、一人で小さくうずくまっているのだろう。
心の中から不安という闇が立ち去るまで。
根拠はない。
ただ何となく、そう感じたのだ。