満月の銀色ススキ
正直なところ、ススキにとって望月の申し出は有り難かった。

ススキも、焦る気持ちがあったのだ。
あと二日で、何が出来るのだろうと。

自分勝手だと思った。

だが、望月の傍にいたかった。

生まれた場所。
育った土地。

好きなものと嫌いなもの。

何を話していいか考えると、望月が質問してススキが答える。
そんなことの繰り返し。


「…じゃあ、ススキさんて土地神様なんだね」


ススキの話を聞いていくと、望月はそう言った。

長い間住んだ土地に腰を下ろし、そこで人とアヤカシの世界を保つ。
それを人間は土地神というのだと話した。
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