もしも僕に。

そのあとも何度か南桜と言葉を交わす大渕莉奈をずっと見ていた。

「あれ、そういえば拓真は?」

ん?誰だ、それ。

「タク、今日に限って出掛けてるのよ」

「まじで?久しぶりなのについてないなぁ…」

会いたかったのかな。
てか南桜なんか猫被ってない?
大渕さんの前で可愛い感じの言葉遣いとかしちゃってさ。

家に居たときはそんなんじゃなかったじゃない!


それになんなのよ。
さっきから二人だけで会話しちゃてさ。
私関係ないじゃないか!


私は自然と頬がぷくーっと膨らんでいった。


_
< 81 / 85 >

この作品をシェア

pagetop