もしも僕に。


「あはははっ、谷本さんダメじゃないですか〜」

「だってあれはしょうがないよ」

楽しそうに笑いやがって。
くそぅ……むかつく…。


「バカ!」

私は南桜の足を思いっきり蹴ってやった。

「いってぇ!何すんだよ!」

なんで南桜が怒るのよぅ…。

「み、美雪ちゃん?」

オドオドした様子で私に声かける大渕莉奈。

うるっさいわね!
気安く名前で呼ばないでよ!

私は二人を睨みつけ乱暴に店を出た。

意味が分からない。
何しにあの店に行ったのよ。
大渕さんと話してればいいじゃない。

私いなくていいじゃない…。


“ドンッ”

下を向きながらズカズカ歩いていたら誰かとぶつかった。

そのおかげで尻餅をついた。

「…いっ…何処見て歩いてんのよ…!」

そのままの体勢で腰をさすりながら相手を睨みつけた。

分かってる。
悪いのは私。


でも今は機嫌が悪い。

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