【完】ひとつ屋根の下で。
「あー、暫く、酒はいいや」
「とか言って、家に帰ったらまた飲むだろ、ヒカルは」
結局、遊覧船では勝負がつかないまま、アタシとヒカルは、ヒカルの予約した宿に泊まることになった。
「都内なのに、静かだねえ」
宿は老舗旅館って感じで雰囲気も良くて、夕食も、美味しい海鮮料理だった。
今は、旅館近くの川のほとりで、二人で散歩をしている。
静かな夜に、川のせせらぎ。外灯が川をほんのすこしだけ、キラキラと輝かせている。
「ヒカル、こんな宿、いつ予約したの?」
ヒカルはまだ医大生で研修医。アタシの方が稼ぎあるはずなのに。