【完】ひとつ屋根の下で。
「なんか、アンタの言葉は魔法みたい。もう少し、感情こもってたら泣けるんだけどね」



「うっせー。アンタに言われたくないよ」



分かりにくいけど、多分、ヒカルはアタシの言葉に、喜んでくれのかな。



「最後の一個、どっちが長く持つか、勝負ね」



「ヒカルは勝負事好きだね。ま、いーけど」



最後の一本ずつを手に取ると、ヒカルは、更に言葉を紡ぐ。




「もし、俺のが勝ったら、苺は俺が死ぬまで死なないで、ずっと一緒ね」



「じゃあ、アタシが勝ったら、アタシが死ぬまでヒカルは死なないで、ずっと一緒ね」



どっちが勝ったって、アタシ達は、ずっと、一緒だ。



「負けたら、長生きするために、お酒減らさなきゃなあ、苺、しぶとく生きそうだし」



「百歳までは余裕っしょ」



夏の憂鬱な暑さを残す、秋の空。アタシ達は、ちっぽけなひとつの、魂。
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