泣き虫Rocker
隣の席のイチくん。……イチ、イチ、いち?
ぐるぐると回転する頭が、なにかに引っかかって、目の前の顔をみた。面影がある。
「…………泣き虫イチキ?」
「その名前はかなり不服なんだけど」
「イチキ!? 双子の?」
「そうそう、双子のイチキ」
徐々に思い出される記憶に、すべてニコニコ顔でイチキは頷いている。
そのあとの表情の変化といったらなかった。あたしが露骨にいやそうな顔をしたせいか、可哀想なくらいにイチキの顔は歪んだ。
あぁ、Kishのライヴっていうのにこんなときに、こんなところで出会ってしまった。
もっと、再会にふさわしい場所とかあるだろうに。
「てか、ライヴ! 始まるっ!」
「あぁ、いいよ、こっから入れるし。てか場所用意するよ? 2階の関係者席に座る?」
「はぁ!? ロックバンドのライヴなんだから下でもみくちゃにされながら飛び跳ねて、近くで聴くのが醍醐味でしょ」
折角の整理番号24番なのに、どうしてくれんのイチキ! と詰め寄った。
ぐるぐると回転する頭が、なにかに引っかかって、目の前の顔をみた。面影がある。
「…………泣き虫イチキ?」
「その名前はかなり不服なんだけど」
「イチキ!? 双子の?」
「そうそう、双子のイチキ」
徐々に思い出される記憶に、すべてニコニコ顔でイチキは頷いている。
そのあとの表情の変化といったらなかった。あたしが露骨にいやそうな顔をしたせいか、可哀想なくらいにイチキの顔は歪んだ。
あぁ、Kishのライヴっていうのにこんなときに、こんなところで出会ってしまった。
もっと、再会にふさわしい場所とかあるだろうに。
「てか、ライヴ! 始まるっ!」
「あぁ、いいよ、こっから入れるし。てか場所用意するよ? 2階の関係者席に座る?」
「はぁ!? ロックバンドのライヴなんだから下でもみくちゃにされながら飛び跳ねて、近くで聴くのが醍醐味でしょ」
折角の整理番号24番なのに、どうしてくれんのイチキ! と詰め寄った。