嘘で隠された現実(リアル)
「何でもねぇ…」


「‥彗ちゃんは、朱月が嫌いなの?」


「そんなこと、言ってねぇだろ?」

そう呟いて、彗ちゃんはまた苦しげに目を閉じた。


「嫌いではないから、辛いんだよな」

突然、瞬輝くんが口を開いた。

「いや‥たとえ本当に嫌いでも、嫌いなんて言葉は口にできないよな?」


「‥どうゆー意味だよ、瞬輝」


彗ちゃんに睨まれても、瞬輝くんは何も感じていないかのような様子だった。


「何だ、言ってほしいのか?」


そう言って笑う瞬輝くんが、私は少し怖かった。


「被るんだろ?朱月の優しくて残酷なところが、他の誰かさんと…」


「瞬輝‥いくらお前でも、それ以上言ったら殺す」

そう呟く彗ちゃんの声は、これまで耳にしたことがないほどに低く、重かった。
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