嘘で隠された現実(リアル)
俺とは対照的に、水月は本当に楽しそうで嬉しそうで、まるでわざと俺の怒りを煽っているかのように感じられた。


兄弟だったのは、過去のこと。

水月を兄として慕っていた、愚かな時期のことだ。


「戸籍上で赤の他人なら、他人だろ」


「えー?酷いなぁ」

そう言って、水月は俺に近付いて来た。

「それにしても、火月がバンドとはね。結構上手かったけど‥ミスも目立ったね。気付いてる人、そんなに多くなかったみたいだけど」


「誰のせいだよ」

俺はチッと舌打ちした。


「え?それってもしかして、俺のせいって言いたいの?」


「お前、喋るな」


「冷たいなぁ。まだ根に持ってるの?」


「‥喋るなと言ったはずだ」
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