やきもち
「笑美」
「祐輔…」
また、知らない女の子と一緒にいる。
綺麗な顔立ちでメイクもばっちり、制服のボタンを第2まで開けて祐輔の腕に絡まりついてる。
勝てない、私は綺麗な顔立ちもしてないしメイクもあんましてないし…見せてもいいくらいの胸もない。
逆に祐輔に絡まりついてる女の子は、勝ったっていう目で私を見て笑ってる。
「笑美?」
ダメだ、笑わないと。祐輔が嫌な思いしちゃうじゃん。
だけど、どうしても不機嫌な顔になっちゃうよ…。
「笑美、今日一緒に帰るか?」
変な顔してた私を変に思ったのか、祐輔が珍しく一緒に帰ろうって誘ってくれた。
1ヶ月ぶりだ、祐輔が一緒に帰ろうって言ってくれたの。
嬉しくて、嬉しくて、不機嫌な気持ちがなくなっていく。
「えー、祐輔ぇ。那奈との約束はぁ?一緒にパフェ食べるって言ったのにぃ。」
ぶりぶりで甘ったるい声を出す女の子。
「那奈はまた今度な。」
「もーぉ。那奈寂しくて死んじゃうかもしれないー」
なら死ねよ、と呟く桜に気付き少し慌ててしまった。
「桜、ばか」
「だってうざいじゃん、あいつ!たいして可愛いくねーのに鳥肌たつ!」
いや、あの人かなり可愛いと思うんですけど…