恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~
「ハァ、ハァ……な、なにやってんのっ?」

「見りゃあ、分かんだろ? お仕事だよ、お・シ・ゴ・ト」

「……じゃなくてっ……ハァ、ハァ……おやっさんが倒れたっていうのに……ハァ……仕事してる場合じゃないっしょっ……ハァ、ハァ……さっさと病院に行きなさいよっ」

肩で息をしながらあたしが言う。


「なぁに、こないだ倒れたときもなんとか退院できたんだし、今度も心配するこたぁねぇさ♪」


おやっさんとは血のつながりもないあたしがこんなに心配して、わざわざおにーちゃんを呼びに来たっていうのに、実の息子であるおにーちゃんにはひっ迫した危機感が全然なくて、それどころかまるでどこか他人事みたいに思っているようにさえ感じられた。

「で、でも……ハァ、ハァ……今回は2度目だし……ハァ……なんかヤバそうな気がするっ」

「根拠は?」

「お、オンナの勘」

「んだそりゃ?」

「ハァ、ハァ……お、オンナの勘は……ハァ、ハァ……あ、当たるんだからっ」

「さて、どうだかな」

< 127 / 263 >

この作品をシェア

pagetop