恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~
やがて演芸場を過ぎたところで……、
「Hey、ミスター・英雄(ヒーロー)、オ久シブリダネェ♪」
……と陽気な感じで声をかけてきたのは、アメリカ出身のヘンな落語家・米々亭(まいまいてい)グレイ師匠だった。
「よぅ、師匠♪ なんでぇ、こんな時間にフラフラしてやがって、落語家はクビになっちまったのか~?」
「今チョウド、寄席ノ出番ガ終ワッタトコロダヨ♪ ソンナコトヨリ、ミスター・ヒーロー、暇ナラ今カラ踊リ子サンタチヲ見ニ行キマセンカ♪ 楽シイデスヨ♪」
“踊り子”なんていうと、本を読まないあたしでさえノーベル文学賞作家の執筆した純文学のタイトルをまっさきに思い浮かべるもんだけど、師匠のいう踊り子っていうのは“ストリップダンサー”のことだ。
浅草には“Rック座”っていうストリップ劇場があって、最近では元グラドルのK向M奈子が登場して週刊誌やワイドショーを騒がせたことでも有名だ。映画やドラマのロケ地としても多く使われ、N澤Mさみが“S-ラー服とK関銃”のロケにも来たこともある。
「行く行くぅ♪ いっしょにRック座に行こうぜ、師匠ぉ♪」
おにーちゃんの表情がイキイキしている。