恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~
早速、山の斜面に光る大きなハートに向かって、目を閉じて静かにお祈りをする。
しばしお祈りしたあと、目を開いたあたしに向かって紫苑さんが言う。
「桃香ちゃん、なんてお願いしたんだい?」
「“幸せになれますように”って」
「ずいぶんアバウトなお願いだね?」
「だって限定しちゃうと、そのお願い1コだけしか叶わなくなっちゃうから」
「フッ。桃香ちゃんは欲張りだなぁ」
そう言っておでこをチョンとする紫苑さん。
「でもコレで幸せになれたらいいですよね」
「なれるさ、きっと」
「そうですね、なれますよね……あたしだって幸せになりたい……赤井氏ひとりだけが幸せになるなんてズルイと思う……」
「たしかにセンパイはズルイよね。舞さんと別れてまだ半年なのに、今度は仲見世小町と婚約するなんてさ。なんかヤケちゃうな」
「うん、ヤケる、ヤケる♪」
「おしっ。じゃ、コッチも負けずに幸せになちゃおっか?」
「“なっちゃおっか”って?」