恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~


“コレってなに?”

そう思ってカウンター席のあたしが振り向いて見ると、おにーちゃんが紫苑さんの前に、使い古されたカンジの1枚の赤いバンダナを差し出しているところだった。


「えっ!? でもソレはセンパイがセンタイレッド役にバッテキされたお祝いに、桃香ちゃんからプレゼントされた大切なモノじゃらかったっけ? そんな大切なモノ、もらうわけにはいかないよ」

「大切なモノだからこそ、お前に譲りたいんだ……2代目レッドのお前にな」

おにーちゃんの目がマジだった。

「センパイ……」

そして紫苑さんの目がウルウルしてる。


「ピンク、いいよな?」

おにーちゃんからの問いかけに大きくうなずいて見せるあたし。

「紫苑さんにはソレを受け継ぐ資格があると思うよ」

「ピンクも、ああ言ってんだ。今日からコレはお前のもんだ」

もう一度、紫苑さんに赤いバンダナを差し出すおにーちゃん。

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