町の片隅で~ファーストストーリー~
「うわっ!危ねっ!!」
慌ててドアに頭をぶつけるほど危ない部屋だ。
一瞬しか見てなくても危険度MAXだと言える程。
「なっ。あいつら群がってるだろ?」
「あ…あぁ…。」
山崎の言うあいつらとは無数の蛇の事。
オッサンが言ってたジャングルとは心理的なものとかではなく、そのままの意味だった。
草木は生い茂り、見たことのない植物は花を咲かし、その間から無数の蛇が目をひからしてる。
俺達は脱衣場へ戻りオッサンへ怒りをぶつけた。
「おい!オッサンっ!あれはシャレにならんぞっ!」
「ぼ、僕を殺す気ですかっ!」
「何言ってやがる。ちょっと付いて来い。」
そう言ってジャングル部屋のドアを開けた。
無数の蛇がオッサンの足下でうごめいてる。
「危ないって!」
「へっ。こいつらはなぁ~お前らみたいなバカとは違うんだよ。俺が手塩にかけて育てた俺の息子だ。噛んだとしても毒がないから痛いだけだ…痛てぇぇ!放せ!バカ!」
やっぱり蛇は蛇。
飼い主でも容赦なく牙をむいた。
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