学園(序)
それは本当。

正直、休日は遊び呆けようとも思ったけど宣言してしまった以上はやるしかないだろう。

「そなたが気兼ねしておるなら、ワラワは謝らなければならぬ」

「そういうの止めましょうよ。俺はね、今日はこれで帰っても満足なんです。先輩の優しい歌も聞けましたからね」

「皆にはつまらん歌じゃったかもしれぬな」

「先輩、自信を持ってください。先輩が吟ネエの声を好きといったように、俺は先輩の声が好きですよ」

「恥ずかしい事を言うでない」

先輩の頬は少し頬に赤みを帯びているようだ。

「あははは!ねえねえ!丞君!私の声はどう!?」

笹原先輩が絶対出てくるだろうと予想はしていたよ。

「メロンメロンですよ」

「あははは!褒められたー!」

単純に喜ぶと、悩殺ボディーで抱きついてくる。

「嬉しいのはわかりましたから、離れましょうよ」

「あははは!これが私のマーキングだー!」

「野生動物じゃないんですから」

これくらいで笹原先輩の物になるのも嫌だな。

でも、香水の匂いはついてしまいそうである。

洗い流せば済む問題だったりするんだけどな。

笹原先輩を引き離してから、服装を直して自分を落ち着ける。

「ふう、それじゃ帰りましょう」

プレゼントを今日は渡さないでおこう。

勢いで渡すのは何か間違っているような気がするんだ。

「今日は楽しかった。誘ってくれたそなたに感謝を」

「あははは!私も私も!また遊ぼうね!」

龍先輩と笹原先輩は紅く染まった世界の中、背中を向けて遠ざかっていった。

乾も無言のままで、責務を果たすだけだった。

こうして、残るのは必然的に俺と吟ネエだ。
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