学園(序)
吟ネエが読んでる漫画って、ガンナーズ・ヘヴンだったか。

吟ネエの部屋にある単行本を何回か読ませてもらったことがある。

ガンナーズ・ヘヴンとは性格の悪いクラウスっていう主人公が、婚約者を浚われたので探す旅に出るって話だ。

面白いが、描写が過激なんだよ。

クラウスは人の悪口を平気で言うし、敵を容赦なくぶった斬るし、週刊誌に載せてもいいのかってくらいだ。

ま、抗議も多い分、人気もあるって話だ。

俺も嫌いじゃない。

「次の単行本、いつ出るの?」

「知らないアル」

といいつつ、吟ネエの部屋に入った時に最新刊が置いているのを見た。

「吟ネエー、嘘はいけないぜ?もう出てるんだろ?」

「目ざとい奴、許せんアル」

この場合は嘘をついた吟ネエが悪いような気がするんだけどな。

元から見返りを求めるつもりで肉まんを驕ったわけじゃないが、交渉手段として持ち出すのもありかもしれない。

すでに、肉まんは吟ネエの胃の中にあるはずだ。

「今月、酒上げたよね?肉まんも上げたよね?」

せこい奴になってるけど、どこかに立ち読みしに行くのも面倒な話しなのであります。

「肉まん、返すアル」

俺の動く速度より早く、本日二度目のキス。

「むー!」

肉の味が伝わってくる。

嬉しいとかどうでもよく、嫌な気分だ。

これだと、返ってきたとは言わない。

唇を離すと、さらに肉の風味が鼻をつく。

「あ、あのさ、吟ネエはキスすることに抵抗はないわけ?」

「軽いスキンシップアル」

肉体だけではなく、キスも色んな男としてるわけだよね。

キスと肉体関係は別物だって聞いたけど、よくわからなくなってきた。
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