学園(序)
一応、肉じゃがの余りがあったのでおかわりをし、事なきを得た。

渚さんの料理が美味いのなら、吟ネエの料理も美味いのかもしれない。

吟ネエが料理を作るときは絶対に食べよう。

しばらくしてから食べ終わり、食器を片付けて自分の部屋に戻るために二階に上がる。

そういえば、ガンナーズ・ヘヴンの最新刊が吟ネエの部屋にあるはずだ。

吟ネエはのんびりテレビを見ていたから、まだ部屋には帰ってこないだろう。

しかし、家族といえど、盗人みたいな真似して人の部屋に勝手に入るのはマナー違反というか、窃盗罪と不法侵入で訴えられてもおかしくはない。

クラッシャーズ・ヘヴンで、この世からおさらばする可能性だってある。

今は止めとこう。

今度もう一回頼んで、駄目なら俺が本屋にいけばいい話だ。

面倒ではあるけどね。

自分の部屋に戻り、灯りをつけてベッドの上でくつろぐ。

くつろいだのはいいんだけど、考える事がある。

それは、この手にある二つのプレゼント。

吟ネエか龍先輩のどちらかに渡すために用意したものだ。

「はあ、どうしよう」

本当に困った。

だって、どっちも魅力的なんだもの。

吟ネエは綺麗で、気まぐれな猫のような性格をしてて、それでいて性欲過多だ。

他の男と寝てることが多いけど、そんなの関係ないくらいに惹かれてるんだ。

ずっと見てきて、思いは今でも色褪せない。

龍先輩は小動物のような感じで可愛くて、責任感が強くて、恥ずかしいことになると乱暴する。

しかし、責任感が強い分、どこかで疲れのピークが来ると思うんだ。

余計なお世話かもしれないけど、癒しになれたらなと思う。

家では龍先輩の閨閥結婚を、親が策謀しているようだ。

詳しい事は解らないので、親がやっているのかは定かではないんだけどな。

「うーん」

吟ネエか龍先輩、どっちを選べばいい?

ここが俺の人生の分かれ目になることは間違いないはずだ。
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