流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜
テントに戻ると、とある一角に人だかりができていた。

「あの、これ…よかったらどうぞ」

「家のこれも。多く作りすぎちゃって」

「幸姫ちゃん、これ大好きなのよ。ぜひ召し上がって」

わらわらと大勢のお母さんたちに囲まれた、幸村と佐助の姿。

「………」

知っている人もいればまったく知らない人もいて、幸姫は驚いて体が固まっていた。

「幸姫ちゃん。どうしたの?」

声をかけられた方を向くと、そこには悠斗の姿があった。

「え…?あ……」

少し困惑した表情で、幸村達の方をちらっとみると、悠斗はなるほど、といった表情で笑った。

「幸姫ちゃん、おいで」

にっこりと笑うと、悠斗はすっと、幸姫の目の前に手を差し出してきた。
どうしたらいいのかと困っていると、悠斗は幸姫の手を取り、人垣のほうへと進んでいった。

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