ハンカチ落としましたよ

そんなのありなの?2

「そうね。旅行に関しても
今回京都に来るのも
私じゃなくて
友達の予定
だったんだけど、

急に仕事が入って
こられなくなって、
代わりに私が来たの。

友達は
宿泊は、当日探して
泊まる予定で、
チケットだけ
もらったってわけ。

なんとなく
金閣寺に行って
みたいなあ~
って思ったら、

またなぜかハンカチを
落としてしまったの。
そこであなたに
会ったってわけ。」



「そんな偶然って
あるのかな?
なんか
信じられないなあ~。」



「偶然じゃなくて、
必然だったのよ。
なんていうんだろう。
お告げっていうのかな?

他の人には
わからないけど、
私の予感は
なぜか当たるのよ。

だから、このホテルに
泊まるのも
お告げがあった。

私は宿泊料金も半分
払おうというつもりで
いたから・・・。」






「・・・・・・・・・」





タカシは驚くばかりだった。


「え?霊感があるの?」


「霊感かどうかは
わからないけど、
子供の頃からよく
お告げがあったのは
確かなの。

数日後、その通りに
なることが多かったから、
みんなも当然
そういうふうに
思っていたんだなあ
って思っていたの。

でも、それは自分だけだと
いうことに気が付いて、
最初は嫌で嫌で
しょうがなかったけど、
プラスに考えることにしたの。

それから道が
開けてきた・・・。
今は、そのお告げに
素直になることにしたの。

ちょっと歩き疲れたわ。」




そういうと、
彼女はベッドの上に
服を着たまま
寝てしまった。

タカシは最初、
京都でのラッキーな
2泊だと思っていたが、
どうやら彼女を見ると
そういう雰囲気に
ならなかった。


それよりも、
なぜ彼女は
自分に白羽の矢を
放ったのだろう。



なにが
そうさせたのだろう?



わからぬまま
タカシも
隣のベッドに
仰向けになって、

天井を見て
いるうちに、

睡魔に襲われ
寝てしまった。
< 13 / 28 >

この作品をシェア

pagetop