初恋のキミへ。


「ラブラブだね〜」


「ほんと。見せつけられちゃったよ」


タケくんと桃花が私たちのやり取りを見てそう言った。


それから教室の前で別れて、HRが始まった。

担任はやけに肌が黒くなっていた。

担任の話が終わったら下校。

一体なんのために来たのか分からない。


「早川さん?」


名前を呼ばれて振り返った。
そこには元輝の遊び相手だった"亜美"がいた。


「…なに?」


「あたし前から早川さんと仲良くなりたいなーって思ってて…
あっ元輝のことはとっくに諦めてるから!
ねっ!番号交換しない?」


そう言われ、少し警戒した。
私と仲良くなりたい?何故いきなりそう言ってきたのか、それが気がかりだったけど、あまりにしつこく聞いてくるので教えてしまった。


「ありがとう!これからは未波って呼ぶね?夏休み、連絡するから!じゃあね〜」


やけにテンションが高い亜美に戸惑いながら手を振る亜美に私も振り返して、桃花と学校を出た。
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