初恋のキミへ。


次の日もその次の日も、

未波が目を覚ますことはなかった。

俺はこの2週間、朝から病院に通い、面会時間ギリギリまで未波の傍にいた。


「元輝くん?大丈夫?少し休んだ方が…」


「大丈夫。ありがと桃花ちゃん」


そう言うと切なそうに微笑んだ。


俺は毎日未波に語りかけていた。

俺たちの出会いから幸せだった時のこと全部。

毎日、毎日、未波に語りかけた。







なんでこんなことになったんだろう。

あんなにも幸せだった毎日が嘘のように崩れ去っていく。

未波の笑った顔をもう一度見たい。

あの笑顔で俺に好きだどと言ってくれよ…

なぁ未波…

お願いだから目を覚ませよ…

俺はお前がいないとダメだって言ったろ?

お願いだから、あの笑顔で

俺の名前を呼んでくれよ…

頼むから、俺に笑いかけてくれよ…

大丈夫だよって笑って、俺を安心させてくれよ…

なぁ?頼むから、目を覚まして…
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