初恋のキミへ。
「同じクラスだといいな」
未波と手を繋ながら歩いている俺は、そう問いかける。
「そうだね。桃花とタケくんも」
無表情だけれど、その言葉に込められている想いは十分に伝わってくる。
「だな。」
俺は未波の手を更に強く握りしめ答えた。
「…ねえ?」
「ん?」
「いろいろ、ごめんね?
きっとこれから、元輝に辛い想いさせちゃうかもしれない」
「なんで?」
「言葉だけじゃ…伝わらないこともあるでしょ?」
「大丈夫。未波の言葉にはちゃんと気持ちが隠ってるから。
それに、俺、お前といれるなら辛い想いなんてしない」
俺は素直に真っ直ぐ未波を見つめ、答えた。
「…ありがとう。頑張るから」
そう言うと、少し笑っているようにも見えた。
他の奴が見れば無表情なのかもしれないけど、俺にはそう感じとれたんだ。