初恋のキミへ。
「どうした?」
元輝が心配そうにあたしの顔を覗く。
あたしの些細な態度でさえ、元輝には伝わってしまう。
そして心配させてしまう。
だけどもう、そんな心配しなくて大丈夫だから…もう少しだけこんなあたしに付き合ってね…
「ううん。ね?今日帰り、寄り道して帰ろ?」
「いいけど、何かあるのか?」
「たまにはいいじゃん。ね?」
「ん。分かった」
あたしは平然を装いながら元輝の手を強く握りしめると、いつものように握り返してくれた。
そんな小さなことでも幸せを感じる。
それからあと少しだと思うと尚更、心に染みる。