初恋のキミへ。
学校に着いて教室に入ると桃花とタケくんはもう来ていた。
「おはよ!桃花、元輝くん」
「はよ!2人とも」
いつものように満面の笑みで挨拶をしてくる2人。
そんな2人を見ていると心が暖かくなる。
「おはよ。桃花、タケくん」
「はよ」
元輝もいつものように、素っ気なく、だけど優しい笑顔で答える。
「ねっ!今冬休みの計画立ててたの。泊まりでどこか行かない?」
嬉しそうにあたしと元輝に問いかける。
「俺はいいけど」
元輝がそういうとあたしを見る。
「あたしも大丈夫」
きっと4人での思い出も最後だから……
そんなことは言えずに、そう呟いた。
「なら決定だな!
俺の母ちゃんの知り合いの別荘に空きがでたみたいでさ。
少し遠出になるけどスキーもできるし、楽しみだな。
日にちは25、6日の一泊二日!
クリスマスだし、イルミネーションが綺麗らしいぜ」
長々と楽しそうに説明するタケくんに元輝が問いかける。
「急だな?」
「昨日母ちゃんに言われたからさ」
「へえ」
そう返しながらあたしを見た。
「楽しみ?」
「うん。凄く」
言いながら、見つめ返した。
今日伝えると決めたのに、みんなが楽しみにしていることが台無しになってしまうのではないかと不安になる。
だけど言わなければ……うん、伝える。ちゃんと…桃花たちにも早く伝えないといけないもんね。