初恋のキミへ。


「なんだよ急に…」


少し不安げな顔。

もうあたしのために不安にならなくていいからね?














「…あたし、イタリアに行くの」


言いながら強く手を握りしめ、元輝を見つめた。


「イタリアにあたしみたいなケースの人を治せる医師がいるらしいの。

とても有名な人みたいで、最初は行く気なかったんだけど…やっぱりいつ治るか分からないし、それなら行こうかなって」


「……いつから…いつまで?」


少し間を置いて答えた。


「年明けの8日から早くて2年。
だけど2年で帰ってこれるかは分からないの。」


「年明けって…もうすぐじゃねえか…」


「うん」


「なんでもっと早く言わなかった?」
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