初恋のキミへ。


―――――side MOTOKI.


タケから聞いた未波が帰ってくるという言葉が毎日頭から離れない。

いつ帰ってくるのか聞くこともできないでいる。

弥生にそんな考えをしているなんて気づかれないようにしなければいけない。

今日は弥生が買い物に行きたいと言って一緒に街にきた。

昼飯を食おうと喫茶店に入った。

そこには見慣れた2人と後ろ姿だけれどそれが誰だか分かってしまった。

"やばい"

そう思った。今ここで会ってしまえば弥生を傷つける…

だけど会いたい。

そんな気持ちが交差しているとき、タケと目が合った。

あいつもまずいと思ったのか焦っていた。

どこから見てもその行動は大袈裟でおかげで弥生が気づいてしまった。

ここはもうしらばっくれるしかないか――?

いや、それじゃあ未波が……

俺がそんな考えをしている間に俺の腕を引っ張ってタケと桃香ちゃんに近づいていった弥生。
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