初恋のキミへ。
昼休み。
タケとまた中庭にきた。
そしていつもあいつがいる場所に行った。
そこには今日も2人の姿があった。
「よっ!」
タケが2人に話しかける。
「タケくんと元輝くん!」
そう答える桃花ちゃんとは正反対で
いつも無表情の未波。
…いや、今日は少し元気がない気がする。
「相変わらず無表情だなお前」
「もう関わらないでって言わなかった?」
「そうだっけ?」
「……」
「まぁまぁ未波ちゃん!
機嫌直してよ〜」
そう言ってタケが宥める。
「…普通だよ」
なんだよ…タケには普通に返しやがって。
「あっ俺、
ちょっと桃花ちゃんに用あんだよね。
未波ちゃん!
悪いけど桃花ちゃん借りてくね。
行こ!桃花ちゃん」
「え?」
「は?」
未波とほぼ同時に声が重なった。
「えっあっはい!
未波、ちょっと行ってくるね。」
「え?!待ってよ桃花!!!」
そう呼び止める未波を無視し去って行った2人。
そしてここには俺と未波だけ。
「………」
「………」
少しの沈黙を破ったのは未波だった。
「…これもなんか企んでるわけ?」
そう言って俺を睨んだ。
「ちげーよ。つーかなんも企んでねぇし。」
「じゃあ私教室戻る」
そして立ち上がる未波。
「ちょ!待てよ」
「なに?」
「いや…もう少しいてくんねぇ?」
「なんで?」
「いいから!座れって」
俺は未波の腕を掴んで無理矢理座らせた。
「…なによ」
そう言って俺を見る。
たったそれだけなのに胸が高鳴った。