初恋のキミへ。
「あの2人帰って来ないし、
私戻るね?」
「…お前、本当に何もねぇか?」
「しつこいなぁ!何もないよ。
私の心配するなら他の子達の相手しなよ。」
「もう辞めんだよ」
「まぁ、その方が自分が傷つかないよ」
「普通、相手を傷つけるんじゃねぇの?」
「違うよ。理由が理由だから。
相手はそれでよくて寄ってくるんでしょ?
だから傷つかない。
でもあなたには、
外見しか見ない女の子達しか現れない。
悲しいし寂しいじゃん」
「……別に」
「まぁ悲しくないならいいけど。
あんたと話したら割といい奴な気がしてきたよ」
「割とは余計だっつーの」
「ふふ!!
じゃあね?元輝」
「おぉ…ってお前今っ!!
…んだよ…いい逃げかよ。」
初めて名前を呼ばれた。
心臓飛び出るんじゃねぇかっつーくらい
ドキっとした。
多分今の俺は最高ににやけてる。
そして最高に気分がいい。
"俺が傷つく…か"
お前は俺の中にすんなり入ってくる。
本当に嬉しかった。
もっとお前と、
笑い合いたいと思った。
俺は、初めて人を好きになった。
初めて人を愛おしく感じたんだ。