初恋のキミへ。
「…なんですか?」
そう聞くと全員が私を睨み付ける。
「モトとどういう関係?」
"…やっぱり"
文化祭で一緒に回っていた時に違和感を感じた視線はきっとこの人達だろう。
「べつに。なんの関係もないけど」
「今更それで通用すると思ってんの?
最近モトの周りうろちょろして目障り。
あんたのせいで私らモトに捨てられたんだから」
「向こうが勝手に寄ってきてるんだけど」
「何様だよあんた。
モトに好かれてるとか自惚れてんの?」
「全然」
「生意気なんだよ。
だいたいモトがあんたなんか相手にするわけないじゃん。」
関係ないと言っているのにこの言い草。
「私あんな奴興味ないんだけど」
「ふざけんなよ!興味ないなら近づいてんじゃねぇよ!」
何を言っても無駄なんだとこの時分かった。
「相手にされないからってひがまないでくれない?」
そう言ったのがまずかったのか私は女に顔を殴られた。
「っ…!」
「これ以上モトに近づいたらただじゃおかないから」
そう言って去っていった。
なんで私が殴られなきゃいけないのか分からない。
こうなることがイヤだから関わりたくなかったのに。
"女見る目なさすぎ…遊びでもちゃんと選びなさいよ"
少し苛立ちながらそう思い、その場を後にして桃花のところへ行こうとした。