初恋のキミへ。
「おいっ!」
後ろから声がして振り返った。
「桃花ちゃんからお前が呼び出されたって聞いて探した!
ってなんだよその顔!」
これ以上関わりたくない。
そう思って嘘をついた。
「転んだ」
「転んでそんなんなるかよ!
…俺が関わってた女か?」
「あんたに関係ない。
もう私に関わらないで」
それだけ言って私は戻ろうとした。
「それはできねぇ!どいつにやられた?」
そう言って私の腕を掴んだ。
「…はぁ。もういい加減にしてよ。
なんなの?私はあんたに振り回されたくないの。
言ったでしょ?あんたには興味ない。
私に関わらないならこんな傷どうってことない。」
私は冷たく言い放った。
「…悪かった。だけど俺はお前が好きだ。だから引かない。」
そう言われ、本当に呆れてしまった。
「あんたのこと好きな子はたくさんいるでしょ。だから私があんたといると目障りらしいよ?その気ないって言っても聞かないし。こうなりたくないから関わりたくなかったのに。」
「俺はお前しか見てねぇ」
「だから!それが原因なんじゃない。」
「俺が誰に惚れようとそいつらには関係ねぇ」
「はぁ。本当しつこい男」
「わりぃかよ」
「…何言っても無駄なんだ?」
「俺の気持ちはそんな程度のもんじゃねぇからな」
そう言って少し笑った。