初恋のキミへ。
「…もういい。戻ろ」
そう言って一緒に中庭に向かった。
桃花とタケくんが心配していたようで
私の顔を見て驚いていた。
「未波…」
「これくらい大丈夫」
そう言うと心配そうに笑顔を向けてくれた。
「あんたに一言言いたかったんだけど」
私は元輝の方を向いた。
「別にあんたのせいじゃないし
責任感じることないから。
私はこれっぽっちも気にしてないし。」
「…………」
彼は無言で私をみていた。
「桃花、いこ」
私は桃花と教室に戻った。みんなにどうしたのか聞かれたけど転んだと言い張った。
この事件でちゃんと元輝に言っていればあんなことにはならなかったと思う。
だけどそれでも彼は私を好きだと言ってくれた。
なんだか少しだけ嬉しかったのは事実だった。
だからもう関わらないでと言わなくなったんだと思う。
それが自分でまいた種となる。