初恋のキミへ。
少しくらいは…
7月上旬。今日も晴天。
朝、いつも通りに起きて…いつも通りに用意した。
ただ違ったのは…
「行ってきます」
誰もいない家にそう言って扉を開けた瞬間、有り得ない姿を目にした。
「はよ。」
壁に寄りかかっていた体を起こし、私に向かって挨拶をした。
「…なにしてるの?」
「一緒いこーと思って迎えにきた」
そんないい迷惑極まりない言葉を発したのが、そう。いつもの日常とは違った理由。
"元輝"という男だった。
昨日あれだけ言ったのに、まだ懲りないのかと終止呆れてしまった私。
「…理解能力ないの?」
「言っただろ。冷たいとこには慣れた。引く気はねぇって。
お前殴った奴と一緒にいたやつらにもちゃんと言ってきた。
もし昨日みたいなことがあるといけねぇから、俺はお前の傍から離れねぇ。決定事項だ」
長々と説明してくれたのはいいとして、何であんたと一緒にいなきゃならないのよ…
あんたさえ関わらなきゃ私は平和だっつーの!
そう心の中で叫んだ。
「勝手に決めないで。」
「無理。
これ以上お前を傷つけたくねぇから」
その言葉を聞いて少し…ほんの少しだけどドキッとした。