初恋のキミへ。
「私にこだわらなくても、もっといい人いるでしょ。そっちに行きなよ」
「お前じゃねぇと意味ねんだよ。
お前だから好きなんだ」
よくもまぁそんな恥ずかしいことをこんな道端で言えたもんだ。少しは恥ずがるでしょ普通。
「言ってて恥ずかしくない?」
「恥ずかしくねぇよ。事実を述べたまでだ。行くぞ」
ほら、また。言われる方の身にもなりなさいよ。
恋愛経験が少ない私にとってそんな言葉には当然慣れていないのだ。
"…完璧あいつのペースじゃん"
私は糸も簡単にあいつのペースにハマってしまったことに情けなくなった。だけど少し…やっぱりほんの少しだけど嬉しくも感じた自分がいた。
「手でも繋ぐ?」
「有り得ない。馬鹿言わないで」
「冗談。帰りも送るから」
「一人で平気。だいたいずっとあんたと居るなんて嫌!」
「決定事項だから仕方ねぇだろ」
「あんたが勝手に決めたんじゃない」
「文句ばっか言うな。
いいだろ。俺はお前といたいんだから。」
「…自己中男」
「なんとでも言え。」
そんな言い合いをしながら学校に向かった。