初恋のキミへ。
私達はその場で少し黙って家には入れたくないと思って近くにある公園に行こうとユウトに言い、黙ったまま公園に向かった。
そこは小さな公園でベンチがあるだけの所だった。
そこに座り、最初に口を開いたのはユウトだった。
「あのときは…本当に悪かった」
「もういいって」
「いや…うん。ごめん。
ちゃんと謝りたかったんだ。
だけど俺、お前が好きだって…お前がいなきゃダメだって気づいたんだ」
「今さらそんなこと言わないで…
あの時、亜紀を選んだのはユウトじゃない」
そう言うとユウトは少し黙り、また口を開いた。
「別れたんだ。あの後、少しして…
亜紀もタクミが忘れられないって」
「なに、それ…タクミはもう前に進んでるの!
これ以上タクミを傷つけないで」
「…タクミにも謝ったんだ。
だけど聞いてくれなかった。
もう俺らに振り回されるのは御免だって言われたよ」
「それは私も同じ」
「…だけど好きなんだ。
忘れられなかった。後悔したんだ。
あの時、亜紀を選んだこと…」
「やめて…」
「お前が男といるの見て、もっと後悔した。」
「やめてよ!それ以上自分ばっかり辛いみたいな言い方しないで!
私がどんな想いでユウトを忘れようとしたかユウトには分からないでしょ!!
私も前に進みたいの…
これ以上、振り回さないで」
「…未波」
「もう私達、終わったんだよ。
今日で本当に最後。帰るね」
私は泣きそうなのを必死でこらえて立ち上がった。
その瞬間、ユウトに抱きしめられて、無理矢理キスされた。
「…んっ!や…だ!やめて!!!」
私は思いっきりユウトを突き飛ばした。
こらえていた涙は無情にも流れ出していた。
「ごめん…だけどやり直したい」
「もう…無理だ、よ…ユウト…
ごめん…ユウトとはやり直せない。
さよなら」
そう言い残して私は公園をあとにした。