初恋のキミへ。


家に着き、中に入った。


「お邪魔します」


そう言って靴を揃えて中に入ってくる未波。

まさか俺の家に未波が来るとは思っていなかったため、こんな時に不謹慎だとは思うけど、凄く嬉しかった。


「なんか飲むか?」


「いい。ありがと」


未波は少し戸惑いながらソファーに座った。


「聞いていいか?」


「………」


「無理に聞かねぇから」


「…私ね…」


未波は重たい口を開き、俺に話してくれた。


「元カレなの…
向こうの高校入ってすぐ仲良くなって…
亜紀っていう友達もできたの。
ユウトにもタクミっていう友達がいて…
私達、いつも4人一緒だった」


思い出したのかまた泣きそうになる未波。


「ゆっくり話せ。ちゃんと聞いてやるから」


そう言うと少し微笑んでまた話し始めた。
< 72 / 227 >

この作品をシェア

pagetop